検索はされているのに、Webサイトは訪問されない。そんな「ゼロクリック検索」の増加が話題になっています。
2026年10月18日には、日本経済新聞でもゼロクリック検索とサイト集客に関する記事が掲載されました。米国では、Google検索の約7割でクリックが発生しなかったという調査が公表されています。
この記事では、ゼロクリック検索の意味と調査データを確認したうえで、AIに引用・紹介される価値、アクセス解析では見えない接点、自社で取り組めることを整理します。情報は2026年10月19日時点で確認した公開資料に基づきます。
日本経済新聞:ゼロクリック検索に関する報道
2026年10月18日公開。国内での関連報道はこちらから確認できます。
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この記事でわかること
- ゼロクリック検索とは何か、サイト集客とどう関係するか
- 米国の68.01%は、いつ・何を対象に測った数字か
- AIによる引用・社名の言及・サイト訪問の違い
- GA4では見えない接点と、自社サイト・SNSでの確認事項
ゼロクリック検索とは
ゼロクリック検索とは、検索結果にあるリンクをクリックしてWebサイトへ移動することなく、検索を終えたり、次の検索へ進んだりする行動です。例えば、検索結果に表示された説明やAIの要約を読んで、知りたいことが分かったので画面を閉じる。その場合、情報を出した企業やメディアのサイトへの訪問は発生しません。
AIの回答でも、似たことが起こります。回答に情報源のリンクが付いていても、利用者が回答だけを読んで終われば、元のサイトにはアクセスされません。情報が読まれることと、サイトが訪問されることが分かれる点が、集客を考えるうえでの変化です。
米国のGoogle検索での調査結果
では、クリックされない検索は、どれくらいあるのでしょうか。SparkToroが2026年6月8日に公開した調査では、米国のGoogle検索の68.01%でクリックが発生しなかったと報告されています。データの提供元はSimilarwebです。
| 確認項目 | 調査の条件・結果 |
|---|---|
| 地域・期間 | 米国、2026年1〜4月 |
| データ | SimilarwebのPC・モバイルWeb行動パネル |
| 対象 | ブラウザでのGoogle検索。Googleのモバイル検索アプリは含まない |
| クリックが発生しなかった割合 | 68.01% |
これはブラウザでのGoogle検索を対象にした数字で、AIチャットでの利用を合算したものではありません。リンクを開かずに再検索した行動も含まれます。一方、広告やGoogleマップ、YouTubeなどへの移動は「クリックあり」に含まれるため、クリックのすべてが一般の企業サイトへの訪問を表すわけでもありません。

In 2026, Less than One Third of Google Searches Still Send a Click
米国の2026年1〜4月の検索行動を分析。集計条件と、クリックが発生しなかった検索の割合を紹介しています。
sparktoro.com(新しいタブで開きます)
画像・調査の出典:SparkToro/データ提供:Similarweb。
この数字は、米国の2026年1〜4月の調査結果です。日本でも同じ割合でクリックされないとは判断できません。 また、過去の海外調査と比較するときも、データ提供元や方法が同じかを確認する必要があります。
検索の割合と、自社のアクセス減少率は別
68.01%は、調査対象の検索でクリックが発生しなかった割合です。自社サイトのアクセスが68.01%減るという意味ではなく、すべてがAIによる影響だと示す数字でもありません。
AIの引用・言及とサイト訪問の違い
クリックされない検索が多い中で、AIの回答に自社が登場することには、どんな意味があるのでしょうか。ここで区別したいのが、情報源として引用されること、回答の本文で社名や商品名が言及されること、実際にサイトを訪問されることです。
| 状態 | 何が起きているか | 自社を知ってもらう接点 |
|---|---|---|
| 引用 | 情報源として自社ページへのリンクが付く | 自社の情報を読んでもらう入口ができる |
| 言及(本文での紹介) | 回答本文に社名・商品名などが登場する | サイトを訪れなくても、名前や特徴が伝わる |
| 訪問 | リンクや後からの検索などを通じて自社サイトが開かれる | サイト上の詳しい情報を確認してもらえる |
サイトへの訪問がなくても、AIの回答に情報源として引用されることには意味があります。 回答にも情報源にも登場しない場合と比べ、自社の情報に触れてもらう機会ができるからです。なお、引用と言及は必ずセットで起きるわけではなく、社名が紹介されても、自社サイトへのリンクが付かない場合もあります。
例えば、10社のサイトが情報源として並び、そのうち3社が回答本文でも紹介されたとします。リンクだけが載る7社にも情報を読んでもらう入口はありますが、本文で紹介される3社は、リンクを開かれなくても社名や特徴を伝えられます。これは仕組みを説明する仮の例で、調査結果の数字ではありません。
引用と本文での紹介を併せて確認する
引用は自社の情報への入口になり、本文での紹介は社名や特徴を伝える機会になります。 サイトへの訪問数とは分けて、自社が情報源に含まれているか、回答本文でどう紹介されているかを併せて確認しましょう。
サイト訪問のない接点はGA4に表れない
こうした接点は、アクセス解析で把握できるのでしょうか。Googleのアクセス解析ツールであるGA4は、通常、自社サイトが開かれたときにページビュー(ページの表示)を記録します。サイトを訪問せず、AIの回答だけを読んだ行動は、自社サイトのページビューには入りません。(参照:Googleの公式ドキュメント)
そのため、GA4でAI経由の訪問が少なくても、AIの回答で自社を知った人まで少ないとは判断できません。サイト訪問の計測と、回答でどう引用・紹介されているかの確認は、併せて行いたい作業です。
後日、社名を検索してサイトを訪れたり、URLを直接入力したりすることも考えられます。その訪問がGA4に記録されても、通常の流入レポートだけで「最初にAIで知った人だ」と結び付けることはできません。逆に、指名検索が増えたことだけを根拠に、AIの効果だと判断することもできません。
GA4・Search Consoleで確認できる範囲
実際にサイトへ来たAI経由の訪問など、アクセス解析で確認できることはあります。設定や確認方法はGA4とSearch ConsoleでAI検索の流入を理解する【2026年版】で紹介しています。
Google検索内での表示はSearch Console、サイトへの流入はGA4、回答の紹介内容は実際の回答で、それぞれ確かめます。自分で質問を試すだけでは、その回答が実際に何人の顧客に表示されたかまでは分かりません。
実際にAI経由でサイトを訪れる人の動向については、AI経由のサイト訪問者は増えている?:米国の最新データで見る集客の変化で紹介しています。訪問前の引用・紹介と、訪問後の行動を考える際の参考にしてください。
AI検索サービスごとの引用元の変化
回答での紹介状況を確かめるときは、AIがどのページを情報源にしているかも確認したいところです。自社サイトに加えて、YouTubeなどの動画・SNSや外部メディアの情報も、自社を知ってもらう接点になり得ます。
OtterlyAIが2026年9月22日に更新した記事では、米国の16業界に関する1,600の質問を使い、7つのAI検索サービスを毎日調べています。対象はChatGPT、Google検索のAIモードと「AIによる概要」、Claude、Perplexity、Gemini、Microsoft Copilotです。
この調査では、特にGoogleのAI検索でYouTubeが情報源として引用されています。サービス別の表から、2026年9月1日と20日の引用シェアを抜き出すと、次のようになります。ここでのシェアは、各サービスの引用全体のうち、YouTubeのページが占めた割合です。
| AI検索サービス | 2026年9月1日 | 2026年9月20日 |
|---|---|---|
| Google検索:AIによる概要 | 8.322% | 6.509% |
| Google検索:AIモード | 13.521% | 3.877% |
| ChatGPT | 0.131% | 0.148% |
The September Update: The Month AI Search Stopped Agreeing About Social
YouTubeなど、動画・SNSの引用状況とAI検索サービスごとの差を分析した2026年9月のレポート。
otterly.ai(新しいタブで開きます)
9月20日の値を見ると、Googleの「AIによる概要」では引用全体の約6.5%、AIモードでは約3.9%をYouTubeが占めています。一方、ChatGPTでは約0.15%です。この観測では、YouTubeは特にGoogleのAI検索で引用元の一つになっていますが、サービスによって割合に差があります。
また、Googleの2つの機能では、9月1日と比べて引用シェアが下がっています。「YouTubeはどのAIでもよく引用され、今後も増え続ける」とは読めません。自社の顧客が使うサービスで、どの動画やページが引用されているかを確かめ、発信先を考える材料にすることが大切です。
引用シェアは、訪問率や施策の効果ではない
この数字はサイトへの訪問率でも、動画の再生率でもありません。米国の業界に関する限られた質問での観測であり、日本語の質問や自社の業界でも同じ結果になるとは限りません。動画を公開すればAIに引用される、と示した調査でもありません。
自社サイトとSNSでの情報発信を確認する
こうした変化に対応するには、自社がどこで引用・紹介されているかを確認し、その結果をもとに情報の不足や誤りを見直します。AI検索で自社の情報が適切に取り上げられるよう整える取り組みが、AIO対策の一つです。自社サイトと、SNS・外部メディアを併せて確認していきましょう。
- 1
AIの回答での引用・言及を記録する
顧客が使いそうな質問で、自社と競合がどう紹介され、どのサイトやSNSが情報源になっているかを確認します。サービス名・質問文・確認日を残し、現在の紹介状況を把握します。
- 2
自社サイトの基本情報を整える
商品・サービスの内容、対象者、価格や利用条件、実績などを、正確で分かりやすい状態にします。引用されたときも、訪問されたときも、判断に必要な情報が伝わることが大切です。
- 3
外部での紹介内容を確認する
比較記事、業界メディア、口コミなどに、自社の古い価格や誤った情報が残っていないかを確認します。顧客が目にする情報の正確さを見直す作業です。
- 4
顧客が利用するSNSや媒体で発信する
顧客への聞き取りや引用元の確認を手がかりに、発信先を選びます。その場所に合わせ、よくある質問への回答や、自社ならではの事例・経験を発信することを検討します。
発信先を選ぶ基準は、投稿数を増やせるかではなく、顧客がそこで情報を集めているかです。取り組んだ後も、AIの回答での紹介内容、アクセス数、問い合わせや購入の件数を併せて見て、自社に関係する変化を確かめていきます。
まとめ
米国の調査では、クリックされない検索の規模が報告されています。また、米国の業界を対象としたAI検索の観測では、SNSを含む引用元の変化が見られます。サイトへの訪問数だけでは分からない情報収集の過程にも、目を向けたいところです。
まとめ
- ゼロクリック検索では、情報が読まれても元のサイトへの訪問は発生しない
- 数字は地域・期間・集計方法を確認し、自社のアクセス減少率と混同しない
- 引用は自社の情報への入口になり、本文での紹介は名前や特徴を伝える機会になる
- GA4での計測に加えて、自社サイト・SNS・外部媒体での情報も確認する
まずは、顧客が使いそうな質問をAIに入力し、自社や競合の紹介内容と引用元を確かめてみてください。その結果とサイトでの成果を見ながら、自社サイトの情報整備と、顧客が利用する場所での発信を進めていきましょう。
自社サイトの情報整備を始める際は、Easy AIOの無料サイト診断も利用できます。サイトURLを入力するだけで、SEO・AIOの改善ポイントを確認できます。外部での紹介状況の確認と併せて、自社サイトで見直したい点を確かめてみてください。
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- 日本経済新聞:ゼロクリック検索に関する関連記事(2026年10月18日公開)
- SparkToro:In 2026, Less than One Third of Google Searches Still Send a Click(2026年6月8日公開。米国・2026年1〜4月、データ提供:Similarweb)
- OtterlyAI:The September Update: The Month AI Search Stopped Agreeing About Social(2026年9月22日更新。米国の16業界・1,600の質問による7サービスの定点観測)
- Google Analytics:ページビューの測定(GA4のpage_viewの送信条件。2026年10月19日確認)